こんにちは。アキゾラです。
お尻の筋肉、つまり大臀筋を鍛えるということで、スクワットは有効な筋トレです。
しかし、現在スクワットよりももっと大臀筋を鍛えるのに有効なのではないか、と考えられているのはヒップスラストです。
スクワットって、きついですよね?
お尻の筋トレをしたいけど、スクワットは太ももへの負担がキツかったり、、そんな人でも取り組みやすいヒップスラスト。
実際、どちらが尻トレとして有効と考えられるのか、みてみましょう。
【大臀筋】お尻の筋トレは、ヒップスラストがスクワットよりも効果的?
お尻の大部分の筋肉である大臀筋の筋トレは、スクワットよりもヒップスラストの方が効果的ではないか、と考えられる研究結果が出ています。
大臀筋の活動量はバックスクワットに比べヒップスラストの方が大きい
The back squat and barbell hip thrust are both popular exercises used to target the lower body musculature; however, these exercises have yet to be compared. Therefore, the purpose of this study was to compare the surface electromyographic (EMG) activity of the upper and lower gluteus maximus, biceps femoris, and vastus lateralis between the back squat and barbell hip thrust. Thirteen trained women (n = 13; age = 28.9 years; height = 164 cm; mass = 58.2 kg) performed estimated 10-repetition maximums (RM) in the back squat and barbell hip thrust. The barbell hip thrust elicited significantly greater mean (69.5% vs 29.4%) and peak (172% vs 84.9%) upper gluteus maximus, mean (86.8% vs 45.4%) and peak (216% vs 130%) lower gluteus maximus, and mean (40.8% vs 14.9%) and peak (86.9% vs 37.5%) biceps femoris EMG activity than the back squat. There were no significant differences in mean (99.5% vs 110%) or peak (216% vs 244%) vastus lateralis EMG activity. The barbell hip thrust activates the gluteus maximus and biceps femoris to a greater degree than the back squat when using estimated 10RM loads. Longitudinal training studies are needed to determine if this enhanced activation correlates with increased strength, hypertrophy, and performance.
A Comparison of Gluteus Maximus, Biceps Femoris, and Vastus Lateralis Electromyographic Activity in the Back Squat and Barbell Hip Thrust Exercises
2015年発表ですが、バーベルスクワットとヒップスラストで、「大臀筋」「大腿二頭筋(ハムストリングス)」「外側広筋(大腿四頭筋群)」の筋電図で活動量を調べたところ、「大臀筋」と「大腿二頭筋(ハムストリングス)」に関しては、はヒップスラストの方が活動量は大幅に大きな値となった、というものです。(負荷は10RM=繰り返し反復が10回で限界になる負荷)
ただし、「外側広筋(大腿四頭筋群)」に関しては、そこまで大差がなかった、という結果になっています。
この論文の中でもこれは少し想定外ということで、一般に、スクワットで大腿四頭筋が鍛えられるというのは広く知られているのですが、このような結果となったのは、この時測定した外側広筋の種類によるものか、もう少し負荷が重い場合などにはスクワットで優位となる結果がでるのではないか、と考えられているようです。
10RMでバックスクワットよりもヒップスラストの方が大臀筋の活動量が大きいということは、筋肥大に関しても、同じようにヒップスラストが有意である、という仮説が成り立ちます。
スクワット、スプリットスクワット、ヒップスラストの中で、ヒップスラストが大臀筋の活動量が一番大きい
もう一つ。
The purpose of this research was to compare muscle activation of the gluteus maximus and ground reaction force between the barbell hip thrust, back squat, and split squat and to determine the relationship between these outcomes and vertical and horizontal forces during maximal sprinting. Twelve male team sport athletes (age 25.0 ± 4.0 years, stature 184.1 ± 6.0 cm, body mass 82.2 ± 7.9 kg) performed separate movements of the three strength exercises at a load equivalent to their individual three repetition maximum. The ground reaction force was measured using force plates and the electromyography (EMG) activity of the upper and lower gluteus maximus was recorded in each leg and expressed as percentage of the maximum voluntary isometric contraction (MVIC). Participants then completed a single sprint on a non-motorized treadmill for the assessment of maximal velocity, horizontal and vertical forces. Although ground reaction force was lower, peak EMG activity in the gluteus maximus was higher in the hip thrust than the back squat (p = 0.024; 95%CI = 4 – 56%MVIC) and split squat (p = 0.016; 95%CI = 6 – 58%MVIC). Peak sprint velocity was correlated with both anterior-posterior horizontal force (r = 0.72) and peak ground reaction force during the barbell hip thrust (r = 0.69) but no other variables. The increased activation of gluteus maximus during the barbell hip thrust and the relationship with maximal running speed suggests that this movement may be optimal for training this muscle group in comparison to the back squat and split squat.
Activation of the gluteus maximus during performance of the back squat, split squat and barbell hip thrust and the relationship with maximal sprinting
こちらは2018年発表の結果ですが、ヒップスラスト、スクワット、スプリットスクワットで大臀筋の活動量を調べたところ、ヒップスラストが最大となり、大臀筋のトレーニングにはヒップスラストが最適であるというものです。
ここでも、ヒップスラスト優位の結果が出ています。
このあたりの結果から、大臀筋のトレーニングを行う場合は、スクワットよりもヒップスラストの方が効果が高い、と考えられます。
スクワットよりもヒップスラストの方が大臀筋を鍛えられる理由
メインで鍛えられる筋肉の違い
これは、やはり使われる筋肉の違いがあります。
スクワットで鍛えられる筋肉はたくさんあるのですが、メインは、やはり太ももの前側である、大腿四頭筋が筆頭に挙げられます。
それに対してヒップスラストはメインが大臀筋です。
ただし、スクワットに関しては、しゃがみ込む深さによっても大臀筋の活動量が変わってくるため、一概に言えないところはあります。
トップポジションでの収縮の差
そして、トップポジションでの大臀筋の収縮についても、大きな差があります。
スクワットのトップポジションでの大臀筋は、しゃがんだとき、つまり伸展した状態です。
ヒップスラストのトップポジションの大臀筋は、お尻を上に持ち上げたとき、つまり収縮した状態です。
お尻の筋肉は、一番収縮した状態が一番動員されている状態になる、と言われています。
つまり、ヒップスラストのトップポジションがこれにあたります。
ご興味ある方は以下をどうぞ。
大臀筋の追い込みやすさ
そして、スクワットに比べて、ヒップスラストの方が大臀筋をしっかりと追い込むことができるという点も大きな理由です。
スクワットは、きついというイメージがある人も多いと思いますが、その通り、基本的には結構きつい方の筋トレ。
お尻の筋肉である大臀筋を鍛えたくてスクワットしても、そこを追い込む前に太ももが疲れてしまったり、腰がつらくなったり、大臀筋集中で追い込むことが難しかったりします。
それに比べて、ヒップスラストで追い込んでじんじんしてくるのは、間違いなく大臀筋。
しっかり追い込むことが可能なのです。
筋肥大するのはスクワットとヒップスラスト、どちらなのか?
活動量が増えるということは、その分筋肉が使われて動いているということになるので、筋トレするなら活動量が多い方が効果がありそうです。
前述の結果は、活動量を見ているのであって、筋肥大の程度を確認したものではありません。
ただ、筋肥大の面で考えても、活動量が多い方が筋肥大しやすいのではないか、と推測されます。
そのため、アキゾラは筋肥大目的であれば、ヒップスラストを推します。
ただし、じゃあ一切スクワットは不要だし、ヒップスラストだけやればOKか?というと、これは少し違うのかな、と。
常に同じ筋トレをしていると、筋肉はその刺激に慣れてしまいます。
ヒップスラストは大臀筋全体をまんべんなく鍛えることのできる筋トレなんですが、やっぱり筋トレによって、大臀筋の使われ方も違うんですよね。
上部によく効くのか、下部によく効くのか、とかですね。
ずっと同じ筋トレ、ヒップスラストのみ行っていると、その刺激の入り方に筋肉が慣れていってしまいます。
そのため、色々な大臀筋を鍛える筋トレを行うのがおススメであり、その一つとしてスクワットもやっぱり有効なのです。
なかなかお尻のトレーニングの効果が出ない、そんなときに見直したいポイントまとめもどうぞ。
スクワットも、可動域を広げるという意味で、通常のパラレルスクワットよりも、フルスクワットの方が大臀筋を効果的に鍛えることができます。
ただし、フルスクワットは結構きついです。大腿四頭筋への負荷も増えますし、骨盤後傾となってしまい、正しいフォームで深くしゃがみ込めない場合もあります。
また、通常のノーマルスタンススクワットよりも、ワイドスタンススクワットの方が大腿四頭筋への負荷が減り、大臀筋への負荷が高くなりますので、ワイドスタンスでフルスクワット、ができるとよさそうです。
スクワットは、色々な筋肉を鍛えることのできる、筋トレBIG3でもある筋トレですが、大臀筋トレであれば、ヒップスラスト中心で、できる範囲でスクワットを組み込んでいくような形でもOKだと思います。
スクワットに固執しないでも、尻トレの選択肢は広いよっていうことですね。
まとめ
【大臀筋】お尻の筋トレは、ヒップスラストがスクワットよりも効果的?でした。
スクワットに比べると、ヒップスラストは新しいトレーニングで、十分な筋トレ効果の検証がなされていないところもあります。
ただ現在のところ、前述の論文や、そのほか経験則的なものも含めて、海外ではヒップスラストがお尻トレーニングでかなりポピュラーなのかな、と感じます。
実際にお尻を鍛えている人で、筆頭にあげるのはヒップスラストである印象です。
ただし、スクワットも必ずと言っていいほど、トレーニングに含まれています。どっちか一つだけやればいいわけじゃないんですね。
今後、色々な研究結果が出て、また新たに分かってくることもあると思いますが、お尻トレーニングをするならヒップスラストもしよう!ということで、みなさんも一緒に頑張っていきましょう!
ではでは!
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