アキゾラ(@akizorainvest)です。
新型コロナウイルスの世界経済への影響が計り知れない状況な今日この頃。
先日、韓国では、株安対策として、6か月間の空売り禁止を決めました。
【ソウル時事】韓国金融委員会は13日、新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる混乱で株価の下落に歯止めがかからないことから、16日から6カ月間、上場株の空売りを禁止すると発表した。一方で、自社株買いについては規制を緩和する。
韓国、株の空売り禁止 16日から半年間
アキゾラはこのニュースを見たとき、「お、これは有効なんじゃないの?」と思ったんです。
欧州各国でも、空売り規制の動きがあるようですね。
[ロンドン/パリ 16日 ロイター] – 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、イタリア、スペイン、フランス、ベルギーの金融規制当局は16日、新たな空売り規制を導入した。欧州連合(EU)の欧州証券市場監督機構(ESMA)も同日、株式市場のダウントレンドは数週間続くとの見方を示し、空売り規制の強化を発表している。
イタリアとスペイン、新たな空売り規制導入 仏なども
これらは、株価下落に歯止めをかけるべく、株安対策として行われているものと思います。
空売りの禁止は、実際のところ株安対策になるのでしょうか?
ここでは、暴落時に行われることのある空売り規制について、少し調べてみました。
そもそも、空売りってなに?
空売りとは何か?を簡単に。
手持ちの株式を売ることを「現物の売り」というのに対して、手元に持っていない株式を、信用取引などを利用して「借りて売る」ことを指します。株価が高く、これから下がることが予想されるときに空売りをして、その後予想通り株価が下落したところで買い戻して利益を得るものです。
初めてでもわかりやすい用語集 空売り
通常、株の取引きをするときは、買いから入りますね。
1株1,000円の株を、1単元(100株とか)で購入します。
これが、「現物取引」、株取引初心者の人には一番わかりやすく、すんなり入ってくる取引です。
これに対して、空売りは、先に売ります。まだ持っていない株式を、証券会社などからお金を借りて、まず売るのです。
売った後、株価が下落したら、そこで買い戻します。
この売買差益が、儲けになるわけですね。
現物取引に対して、空売りは信用取引にあたります。
現物の売りも、空売りも売った時と買った時の差が利益(または損失)になるわけですが、売りから入るのか、買いから入るのか、というところですね。
買いのことをロング、売りのことをショートと言ったりします。
あ、ただ買ったら「ロングした」、そして売ったら「ショートした」みたいな使い方はしないと思いますw
ロングで取引→買いから入って利益を得ようとする
ショートで取引→ 売りから入って利益を得ようとする
アキゾラはFXをやっていた頃にこの表現をはじめて知ったため、最初はFXの用語かなぁと思ってたんですが、そうではなくて、投資取引全般で使われるものなんですねw
ちなみに、このように信用取引で空売りしたら、基本的には6か月以内に買い戻す必要があります。
信用取引にも種類があるのですが、ここではさらっと空売りの概要ということで、このあたりで。
どういうときに空売りをするのか?
アキゾラは現物取引のみなので、空売りやらないんですけど、なんで空売りするのか?どういうときに空売りするのか?
先に売って、あとで買い戻すわけですので、買い戻す時に株価が売値よりも上がっていたら、損します。
つまり、今後株価が下がると予測される状況で使われる取引手法になりますね。
機関投資家なんかは、もっと複雑で色々なルール、戦略に則って空売りをするのだと思いますが、個人投資家が空売りするのは、このあたりじゃないかな、と思います。
基本、インデックス投資家は、長期で見て株価の右肩上がりにかけて、買い付けていくわけですので、空売りで利益を得る手法とは無縁かと思っていますw
空売りは誰がやっているのか?
個人投資家、機関投資家どちらも空売りができます。
しかし、個人投資家は基本的には買いから入って取引をしている人が多いのに対して、機関投資家はよく空売りを仕掛けてきます。
機関投資家、、こちらも念のため、どんなものさらっと。
機関投資家(きかんとうしか、英語: institutional investor)とは、個人投資家らの拠出した巨額の資金を有価証券(株式・債券)等で運用・管理する社団や法人である保険会社、投資信託、信託銀行、投資顧問会社、年金基金など。財団もふくむ。
ウィキペディア(Wikipedia)
機関投資家は、巨額のお金を持っていますので、彼らの動き一つで株価が一気に動いてしまうことも少なくありません。
このように株価に対して影響力の大きい機関投資家によって、巨額のお金を使った空売り、こういったことがしばしば行われているわけです。
大量の空売りが仕掛けられると、どうなるのか?
空売りは、主に機関投資家が行っており、それは個人投資家の非じゃないレベルのお金がかけられています。
大量の空売りが仕掛けられると、株価はどうなるんでしょうか?
一気に売られるわけですので、株価は下がります。
このように株価が下がると、買いで入っている個人投資家は、突然下がる株価に反応し、早めに撤退、損切りしたほうがいいかも!とこちらも売りに出て、さらに売りが加速します。そして、株価がどんどん下がります。
これは、いわゆる「景気が悪い、下落相場」の場合、さらなる暴落の不安感から顕著になり、株価下落に拍車をかけることになるのです。
売りが売りを呼ぶ、という状況ですね。
空売りを禁止すると、株価下落が止まるのか?
空売りにより、売りが売りを呼んでどんどん株価が下落する、ということは、株価を下落に歯止めをかけるには、空売りを禁止する、ということが有効である可能性があります。
しかし、空売りの規制がどこまで株安対策に効果的か、というのは、正直なところはっきりした効果が見えないことも多いようです。
それどころか、逆効果、という見方もあります。
空売りは、必ず買い戻しが入ります。
売りっぱなしにはできないので、売った分、あとで買い戻されるわけですね。
機関投資家によって買い戻されるとき、これは今度は株価上昇をもたらす機会ともなりえます。買いが増えるわけですから。
必ずいつかは買い戻される。これがちょっとポイントだと思います。
株価が暴落している今のような半分パニック状態の相場で、空売りを禁止すると、どうなるでしょうか?
空売りによる株価下落は、防げそうな感じもします。
しかし、すでに暴落しておりパニック状態の相場。
空売りはなくなっても、そもそも売る人ばかりだったら?
ここで売った分というのは、もうそれで終わり。必ず買い戻されるというような、約束された株価上昇の機会はないわけです。
つまり、株価下落していく状況は変わらないどころか、挽回のチャンスもなくなった状態となる可能性もあります。
まず株を持っていないと取引ができない状況は、市場の取引量の低下ももたらします。
このような状況下では、ちょっとした取引が敏感に株価に反映されやすくもなり、さらに下落に拍車がかかる負のスパイラルの可能性も否定できません。
夏枯れ相場とかってこういうことですよね。
過去に行われてきた空売り規制を確認してみましたが、評価は微妙なようです。
しっかり株価下落に歯止めがかけられた、という実績はないけど、規制をかけなければもっと下がった、この可能性も否定しきれない、という見方もあるようですね。
こちらの記事では、リーマンショック時の空売り規制は失策だった、とされていますね。
リーマンショックの際には、SEC(米国証券調査委員会)が800近くの金融株の空売りを3週間禁止した。しかしそれは逆効果で、市場の流動性(取引のしやすさ)が低下し、買い手と売り手のスプレッドが拡大して取引コストが上昇、下がる株が更に下がりやすくなってしまったのだ。当時のSEC委員長だったクリストファー・コックス氏は、空売り規制が失策であったと後に認めている。
2019年の市場はどうなる?悪者扱いの「空売り」の歴史に学ぶこと
まとめ
株式市場は、先が読めません。
こうすると、こうなる、とはっきりと言い切れるものはなかなかありません。
様々な要因、タイミング、投資家の心理によってもいかようにも株価は動くものだと思っています。
アキゾラは、空売り規制のニュースを見たときに、単純に「それいいじゃん」と思ったのですが、調べてみると、そんな単純な話ではないようでした。
先が読めないからこそ、金融政策、量的緩和、空売り規制などさまざまな対応で株価下落を食い止めようとするわけですが、功を奏する形となるのか。
しかし、何はともあれ、インデックス投資家は、このような暴落に左右されずにコツコツ買い付けすることが大事だと思っていますので、アキゾラはコツコツ続けます。
ドルコスト平均法、大事ですよ!
しばらくは目下きつい状況が続きそうです。アキゾラ、別にワーキャー騒いでもいいと思ってますw それでも投げずに、なんだかんだで5年後、10年後、20年後を見据えて、頑張っていくんです!それでよくない?
ではでは!
こちらもどうぞ。
暴落時の心構え。2019年夏の記事ですが、心構えは変わりません。
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