アキゾラ(@akizorainvest)です。
新型コロナウイルスの影響による株価下落の状況を受けて、アメリカのFRBが利下げ実施の可能性を示唆しました。
利下げって何? 逆に利上げって何? 利下げ、利上げされると、結局株価や債券はどうなるの?というところを簡単に見ていきます。
利下げ、利上げとは何か?
利下げは、 その国の中央銀行が政策金利の引き下げを行うこと 、です。金融緩和政策、と言われたりします。
利上げは、 その国の中央銀行が政策金利の引き上げを行うこと 、です。金融引き締め政策、と言われたりします。
政策金利というのは、 中央銀行が、一般の銀行に融資するときの金利のこと。
中央銀行、日本では、日銀ですね。
アメリカの場合、中央銀行制度の最高機関がFRB= The Federal Reserve Board で、これが、日本で言う日銀と同じ立ち位置ということになります。
利下げ、利上げは基本的に経済情勢を「調整」するために行われる金融政策です。
利下げされると、何が起こる?
利下げは何を目的に行われるか、というところとリンクする話です。
簡単に言うと、景気が良くなります。(理論上)
利下げにより、市場金利は下がります。
例えば、企業が何かしたい、と思った時に銀行からお金を借りるわけですが、この金利が低くなるので、お金借りやすくなりますよね。
お金を借りる敷居が低くなるので、企業の活動が抑制されることなく回っていきます。
そうやって企業活動が回ると、それが個人の活動の促進にもつながってきます。
購買意欲が上がるとか、あのテーマパーク行ってみようだとか、そういう感じで、どんどんお金を落とすようになって景気が上向くんですね。
個人が銀行からお金を借りやすくなる面も景気の上向きに貢献します。これも企業と同じで、例えば、住宅買うのにローンを組む敷居が下がるよね。
みんながお金を使うようになります。
企業が銀行からお金を借りて、企業活動を行い、個人がそれに応えて、企業が利益をたくさん上げれば、そこで働く人のお給料も上がり、一層外にお金を落とすようになる、という景気サイクルの好循環が生まれるわけですね。
利上げされると、何が起こる?
利上げを行う目的は、利下げの逆です。
利上げにより、行き過ぎた景気過熱を抑えます。(理論上)
景気を悪くするため、というとちょっと語弊がありますが、景気が良いサイクルで回っている間はいいのですが、それがだんだん行き過ぎると、インフレが起きてしまいます。
インフレとは、お金の価値が下がり、物の価格が上がること。
利上げを検討するような状況は、景気がいい状態。
私たちの購買意欲は高いです。そのため、物の値段が高くなっていきます。高くてもみんなが買うからですね。
こういったサイクルに入ってしまうと、よくないインフレが起きる可能性があるため、利上げを行い、市場金利を上げます。
金利が上がると、企業がお金を借りづらくなり、経済活動にブレーキがかかりだします。
個人がお金を借りる場面でも、金利が高いと、ローンを組むのにブレーキがかかります。なんなら買うのやめよう、と全体の購買意欲が下がっていきます。
買う人がいなければ、モノの値段は上がっていきません。
こうすることで、物価の上昇が抑えられ、行き過ぎた景気過熱をストップさせる狙いがあります。
株価にどう影響をする?
利上げ、利下げは株価にどう影響するのでしょうか?
利下げの場合
一般に、株価の上昇をもたらす要因となるとみることが多いようです。(理論上)
基本的に、利下げは景気が良くなることを目的にしています。逆を返せば、利下げが行われるときというのは、景気が悪いんです。
景気が悪いとき、株価はどうなっているか?下落していますね。
利下げ自体は、株価が下がっている時に行われることになりますが、ということは・・?
利下げにより、景気が良くなる→企業がたくさん利益を上げる状態になる→その企業価値のあらわれる株価は、どんどん上がっていきます。
決算の良いところは、投資家が期待しどんどん買われて上がっていくんですよね。
このようなサイクルに入れば、株価は上昇する、と言えるわけです。
利上げの場合
利上げの場合は、逆です。
一般に、株価の下落をもたらす要因となるとみることが多いようです。(理論上)
金利があがり、企業がお金を借りづらくなることにより、経済活動が停滞します。
そうなることにより、これまでに比べると利益が上げられなくなります。
そして決算の内容が悪いと、、、?株どうしますか?売るかもしれないですね。
そして、これまでのようにこの株欲しい!と思って株価が上がっていく動きは抑制されていきます。
こうしてだんだん株価は下がっていくのです。
債券にどう影響する?
債券にはどういった影響があるのでしょうか?
利下げの場合
債券は、利回りが低下し、債券価格が上昇します。(理論上)
こちら、すんなり入ってきますか?
利下げということは、利回りは低下します。
利下げ前に利回り2%の債券があったとして、利下げが行われ、利回りが1%になったとします。
こうなったら、今債券を買おうとしている人は、利回り1%になった債券より、すでに出回っている利回り2%の債券が欲しいですよね?
なので、その2%の債券は、元の金額以上の価格を出してでも、欲しいと思う人がいるため、価格が上がります。
これが、利回りが低下して債券価格が上昇する、ということです。
利上げの場合
利上げは、こちらも逆です。
利回りが上がり、債券価格が下落します。(理論上)
利上げ前の債券利回り2%、そこに利上げされ利回り5%の債券が出現すると、2%の債券は、元の価格では売れなくなります。
それだと誰もその債権を欲しがる人がいなくなりますので、もっと価格を下げないといけない、といった塩梅ですね。
まとめ
一覧にすると、こんな感じ。
利下げ | 利上げ | |
景気の状況 | 景気が上向くのが狙い | 景気過熱に抑制をかけるのが狙い |
株価 | 上がる | 下がる |
債券 | 上がる | 下がる |
利下げが行われると、株価も債券もどっちも上がるし、利上げが行われれば、どっちも下がる、が理論上です。
もしかすると、あれ、株価と債券というのは逆に動くんじゃないのか?と思っている人もいるかもしれません。
それも、正しいのですw
一般的に、景気が良いときというのは、株が買われ、債券が売られます。
人気ないんですね、リターンが低いので。株に投資したほうがリターンがよいので、こちらに人が集まります。
そのため、株価が上昇する好景気には、債券価格は下がります。
逆もまたしかりで、景気が悪くなると、リスク回避が高まり、株が売られ、債券が買われます。
そのため、景気の悪いときには株価は下落し、債券価格は上昇します。
なんだか、ちょっと混乱してきました。
このように、株価や債券価格が上下する要因は、一つではなく色々なモノが絡み合った結果であるため、一概に予測ができないのが実態です。
利下げしたのに株価が下落したのが、2019年8月の下落時でした。
結局、「こんだけ利下げするほどやばいのか!」といった心理でさらに下がったり、「これしか利下げされないのか」といった失望でさらに下がることもあるんですよね。
あくまで理論上はこう動く、というイメージでいるのが良いかと思います。
ではでは!
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